身の回りの生き物についてあれこれ書いてます。更新は1〜2週間に一度、週末です。詳しくはこちら。

2012年9月22日土曜日

宵待草のくれないの恋人

さて、派手な蛾である。
まずは皆さん、Schinia floridaで画像検索をして
ビックラしてほしいのである。
こんな感じの、ストロベリーチーズケーキみたいな
蛾なのである。

 このお方は、アメリカの中心から東の方に分布
しているらしく、待宵草(月見草の仲間)に特に
食性を示す、2.6cm〜3.5cmぐらいの蛾だそうである。
むろん、わたしも見た事はない。このような
見た事のない、あるいは一生見る機会のないものを
見られるとは、まったくもってインターネットとは
シュペール!マーベラス!ハラショー!なのである。
ちなみに、待宵草は、竹久夢二が(間違えたのか?)
宵待草とも呼び、同タイトルの詩を詠んだのが
有名である。

待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ 
             今宵は月も出ぬさうな

一夜でしぼむ待宵草の花の儚さに託す恋心を描いて
いるのだが、待ち人来たらずとも待宵草の蜜は
蛾達には人気なのである。

日本にもいる可愛いピンクちゃん、ベニスズメ
も待宵草を好む。ベニスズメはスズメガの仲間で
素人がざっくりスズメガの仲間を見分けるのは
簡単である。体型がかの懐かしき人類夢の高速
飛行機「コンコルド」なのである。
ホウジャクやスカシバなどもスズメガの仲間である。
花の蜜を好み、この高速機的体型でせわしなく
ホバリングしながら 蜜を吸っている。

また、スズメガの幼虫類は、ピンと立ったシッポで
判別出来る。成虫もいもむしも、大型であるので
発見すると何か得したような気がする。
(のは、わたしだけかもしれない)。

もう一種類、小さなピンクちゃんも紹介。
マエベニノメイガ。小さな蛾である。
このお方が幼虫の時に食べてるのは、これまた
紫の実がつややかな、オオムラサキシキブである。
(食べるのは葉っぱである)。まったく、自然には
美しさが満ちあふれてるのであるね。

美しさと言えば、なぜ待宵草は彼らピンク族を
引き寄せるのだろうか。 わたしの独断によると、
それは、何か神様的なもの(いや、わたしは
無神論者だけど、そのような大きな宇宙の意志)
が、「待宵草のペールイエローに、こんな
ピンクをトッピングしたら、とってもすてきな
世界にならない?」とウキウキしながら決めた
のではないかと思う、うん。

2012年9月17日月曜日

尺を取られきると死ぬという都市伝説があります

夕方、ベランダの水やりをしていると、セセリチョウを
見るようになった。スカシバなども飛んでいる。カネタタキ
も鳴いている。夏の終わりである。少し涼しくなった
夕風に頬をなでられ、クリス・レアとかそーいうの
聴いちゃうぞ、ビール飲んじゃうぞ。という、キンモクセイ
にはまだ早い、甘酸っぱい切なさの名残りの季節である。
が、季節とはあまり関係なく、いつもベランダで見かける
虫もいる。尺取り虫などはその代表である。冬以外は
ちらほらいつも見かける。
先日などは、妙にサルスベリの木がさっぱり、というか
丸坊主だなあ、と思ってよく見ると、4匹もお食事中
であった。ほどほどにしてほしいのだが、わたしは
どちらかというと芋虫けむし愛好家 なので放ったらかし
である(ただ、チュウレンジバチの幼虫は大家族過ぎて
やっかいなので、卵を見つけたら枝ごと取ってしまう、
かわいそうだけども)。

おたまじゃくしはかえるの子、尺取り虫はシャクガの
幼虫。名前の通り尺を測るようにひょこひょこするのも
かわいいが、普段は大体「私は枝です。木なんです」と
かたくなな態度なのも面白い。シャワーホースなどで
水やりをしていてうっかり水をかけてしまうと、
「あわわのわ、大変大変水だ水」
とじたばたするのがかわいらしいが、しばらくすると
また「木ですよ木、動いたなんて、やだなあそんなの
気のせいですよ」という生真面目な姿に戻るのが
またおかしい。

うちにいる尺取り虫は、だいたい変哲のない、平凡な
地味な緑色のものばかりなので、たぶんヨモギ
エダシャクの幼虫ではないかと思う。ヨモギエダ
シャクの成虫は、これまた地味なのである。子供は
枝に似せ、大人になると木肌や岩肌に似せる。
地味に身を守ってきた平和的小市民気質の蛾である。
 シャクガで比較的派手なのは、シロツバメエダシャク
とかだろうか。雪の妖精みたいな、ホラちょっと
あそこの方。何か高貴な方じゃないかしら?みたいな
雰囲気である。

ま、地味なのもいいのだけども、やっぱり派手なのに
惹かれてしまうというのも人の性。というわけで
次回は、普段日常であまり見ない、派手な蛾について
書こうと思う。プリティ・イン・ピンクなのである。
蛾が。

2012年9月9日日曜日

あわわ、来週には。

ちとばたばたしていて、更新がお留守なのだけど、
来週には必ずや。